法人口座を2つ開設すべき理由とは?メリット・デメリットを解説!

会社の設立手続きが完了したら、まず最初にやるべきことは金融機関で法人口座の開設をすることです。

原則として、一つの法人が開設することができる法人口座は、1金融機関につき、1法人口座となっています。もちろん、他の金融機関であれば、法人口座を開設することができます。そのため、複数の法人口座を開設する場合には、複数の金融機関を利用することになります。

この記事では、2つの法人口座を開設することのメリット・デメリットを解説します。

目次

法人口座を2つ開設するメリット

2つの法人口座を開設することをオススメしています。2つの法人口座を開設する理由としては、以下のようなメリットがあるためです。

1. 資金管理がしやすくなる

法人口座を2つ用意すると、入金専用口座と出金専用口座のように用途別に口座を分けて管理することができます。口座ごとの用途が明確になり、資金繰りの把握が容易になります。

毎月、決まった日に、入金専用口座から出金専用口座へ資金移動を行うことで、キャッシュ・インの金額を把握することができます。また、出金専用口座から支払いすることで、毎月のキャッシュ・アウトの金額も把握することができます。

2. 振込手数料を節約できる

振込手数料が安い法人口座を開設し、その法人口座を出金専用口座にすることで、振込手数料を節約することができます。

ネット銀行は、実店舗を持たず運営コストが低いため、都市銀行などに比べて、振込手数料が安く設定されています。そのため、入金専用口座には都市銀行を利用し、ネット銀行を出金専用口座にすることで振込手数料を抑えられることができます。

1度の振込手数料の差額は小さく感じるかもしれませんが、当然のことながら振込件数が多ければ多いほど節約効果も大きくなりメリットがあります。

<具体例>
・振込件数
1ヶ月あたりの振込件数:30件
1年あたりの振込件数:360件

・振込手数料
都市銀行:350円
ネット銀行:150円
振込手数料の差額:200円(=350円-150円)

・振込手数料の節約額
年間の節約額:72,000円(=振込件数360件×振込手数料の差額200円)

3. ペイオフ対策になる

ペイオフとは、万一、金融機関が破綻した際に預金保険制度により、預金が保護されることをいいます。
ただし、ペイオフですべての預金が返金されるわけではありません。すなわち、1金融機関につき預金者一人あたり元金1,000万円までと、その利息が保証され、それを超える元金及び利息分は保証されないことになっています。

そのため、複数の金融機関に分散して資金を預入しておくことで、万一のときのペイオフ対策になります。

法人口座を複数開設するデメリット

2つの法人口座を開設するメリットがある一方で、デメリットもあります。主なデメリットとしては、インターネットバンキング利用料がかかること、口座管理に手間がかかることが挙げられます。

1. インターネットバンキング利用料がかかる

都市銀行などは、インターネットバンキング利用料などの法人口座の維持費がかかる場合があります。そのインターネットバンキング利用料は、その法人口座を利用しない場合であっても、口座を所持しているだけで月額利用料金がかかります。

2. 口座管理に手間がかかる

法人口座を複数開設すると、口座の数だけ、通帳、キャッシュカードやインターネットバンキングのID・パスワード管理が必要になります。また、口座ごとの用途や目的を明確になっていない場合、資金管理が複雑化してしまう恐れがあります。

おわりに

法人口座を複数持つ場合、資金管理が容易になることや振込手数料を節約できるなどのメリットがありますが、一方で、多くの法人口座を持ちすぎると口座の維持費がかかったり、口座管理が煩雑になる、というデメリットもあります。そのため、会社の事業規模や目的に応じて適切な口座数を開設するようにしましょう。

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