クラウド会計とは?メリット・デメリットについて解説します!

「クラウド会計という言葉をよく聞くけど、どういうものかよくわかっていない」、あるいは、「クラウド会計って本当に便利なの?」という疑問を持たれている方は少なくないでしょう。

現在、従来の会計ソフトからクラウド会計に移行する会社は多くなっています。その理由は、クラウド会計には様々なメリットがあるからです。一方で、当然ですがデメリットがあることも事実です。

そこで、今回はクラウド会計のメリット・デメリットについて解説していきます。

目次

クラウド会計とは?

クラウド会計とは、インターネット上のクラウド環境を利用して会計業務を行う手法のことを指します。従来の会計ソフトをローカルのPCやサーバーにインストールして利用するのではなく、クラウド上のサービスを利用します。データの入力、保存、処理、分析など全ての作業がオンライン上で行われ、あらゆる場所からリアルタイムにアクセスすることが可能になります。

クラウド会計のメリット

クラウド会計ソフトにはさまざまなメリットがあります。

メリット①:コスト削減

クラウド会計の最大のメリットの一つは、初期投資や維持費用の削減です。初期投資を削減することで、会社の成長とともに、スケールアップすることができます。従来の会計ソフトは、ソフトウェアのライセンス購入、サーバーやハードウェアの設置・保守費用、セキュリティ対策など、高額なコストが必要でした。一方、クラウド会計では月額や年額での利用料金のみで全ての機能を利用できるため、トータルコストにおいても、クラウド会計の方が安くなる場合もあります。

メリット②:アクセス性の向上

インターネットさえあれば、世界中どこからでもアクセス可能なのがクラウド会計の特徴です。出張中や自宅でのテレワークでもリアルタイムに情報にアクセスし、柔軟に必要な業務を行うことができます。

メリット③:データの安全性

いまだに、クラウド会計はデータをクラウドに保存するため危険であるという意見もありますが、信頼性の高いクラウド会計サービスは、高度なセキュリティ対策が施されていることがほとんどで、多くの場合、自社内でセキュリティ対策を施すよりも安全性は高いと言えます。また、従来の会計ソフトでは、ソフトをインストールしたパソコン内にデータを保存することが多く、パソコンが破損すると、たちまちデータにアクセス出来なくなるという、大きなデメリットがありましたが、クラウド会計ではクラウドにデータを保存しており、バックアップも存在するため、むしろ物理的なリスクにおいてはメリットとなります。

メリット④:機能の充実

多くのクラウド会計は、簿記、財務分析、給与計算、請求管理などの基本的な機能だけでなく、ビジネスニーズに合わせたカスタマイズや、他のビジネスツール(CRMや販売管理ツール等)との連携も可能です。銀行口座やクレジットカードのデータと自動連携することも可能なため、経理業務の中でもかなりの割合を占めている経費入力の手間を削減することができます。

メリット⑤:自動でアップデートがされる

「会計ソフトをバージョンアップする必要があるのか?」と思われる方もいるかもしれませんが、正しい会計処理を行うためには、バージョンアップが必要になります。その理由のひとつに、税制改正等に対応することが挙げられます。消費税を例に取ると、消費税率の変更や、軽減税率に対応するようになるなど、常に最新の税制に沿ったアップデートが行われます。従来の会計ソフトは法改正があるたびに、全てのパソコンに再インストールする必要がありましたので、再インストールの手間が削減できるのは、大きなメリットとなります。

クラウド会計のデメリット

しかし、クラウド会計にもデメリットがあります。これらを理解し、適切に対処することで、より効果的にクラウド会計を活用することができます。

デメリット①:インターネット環境が不可欠

クラウド会計の最大のデメリットは、インターネット接続に依存していることです。ネットワークの不安定さや接続不能になると、会計業務を進行することができません。そのため、安定したネットワーク環境が必要となります。

デメリット②:サービスの継続性

クラウド会計サービスの提供会社が倒産した場合やサービスを停止した場合、そのデータやシステムをどうするかが問題となります。信頼性の高いサービスを選び、サービスの継続性やデータの移行計画を確認することが重要です。

デメリット③:カスタマイズの制限

クラウド会計は一般的に、特定のビジネスニーズに対してカスタマイズするのが難しい場合があります。特殊な要件を持つ企業にとっては、この点がネックとなることがあります。建設業等の複雑な会計処理が必要な業種はクラウド会計ソフトでは対応できない場合があります。

デメリット④:操作に慣れが必要

クラウド会計に限ったことではありませんが、新しいシステムを導入するにあたっては、経理担当者の慣れが必要になります。そのため、導入初期においては従来の会計ソフトの方が効率的であると感じることもあります。ただし、クラウド会計は経理の知識や実務経験がない方向けに作られているソフトが多く、専門用語が少なく、どこに何を入力すれば良いか誰でもわかりやすくなっています。また、入力サポートも充実しているため、自分で記帳するハードルはかなり下がります。

これが便利!おすすめの機能を紹介

クラウド会計には、とても便利な機能があります。クラウド会計を導入していない方に是非知ってほしいおすすめの機能を3つご紹介します。ただし、導入するクラウド会計サービス又はプランによっては、使えない場合がありますので、その点はご留意ください。

おすすめ機能①:入力支援機能

経理業務を滞りなくおこなうには、簿記や経理の知識が必要です。しかし、クラウド会計ソフトでは経理や会計に関する専門知識が疎くても使えるように、画面表示や操作がわかりやすく作られています。なかでも、人工知能(AI)を活用した入力支援機能は、過去に入力した会計情報から学習して、最適な勘定科目を提案してくれるようになっています。これらの機能により経理の人員削減を達成できる企業もいるでしょう。また、手動で入力する必要がなくなるため、会計処理のミスを減らすことにも繋がります。

おすすめ機能②:売掛金・買掛金の支払・回収防止機能

多くのクラウド会計では請求書を作成する機能があるため、請求書の作成時に回収期日の情報を入力しておくことで、回収期日が到来しても売掛金の消込が出来ていない場合はアラートをしてくれます。また、買掛金についても支払漏れを事前にアラートしてくれる機能が付いているため、支払いの遅れを防止することができます。また、クレジットカードや銀行口座と連携することで、取引先情報や入出金の金額等から、売掛金や買掛金を自動的に消込する機能も付いているクラウド会計もあります。

おすすめ機能③:財務レポートの自動生成

クラウド会計は、クラウドでデータを一元管理しているため、経理担当者がクラウド会計を使用していたとしても、経営者が必要なタイミングで財務数値を確認することができ、リアルタイムで財務レポートを生成する機能があります。これにより、会社の財務状況を常に確認し、必要に応じて迅速な意思決定を行うことができます。また、顧問税理士も常に最新のデータを確認できるため、会計データをメールで送信する作業が不要になります。その結果、税理士と経営者間のコミュニケーションがより円滑になります。

これらの機能は、企業の運営をよりスムーズにし、リアルタイムのデータに基づいた意思決定を支援します。ただし、全てのクラウド会計ソフトが全ての機能を提供しているわけではなく、また、企業によって必要な機能は異なります。したがって、具体的なビジネスニーズに基づいて、最適なソフトウェアを選択することが重要です。
これらの機能に加えて、使いやすさやサポート体制も選択の重要な要素です。一部のクラウド会計は使い方が複雑で、使いこなすためには研修や時間が必要となる場合があります。また、問題が発生した場合に迅速に対応してくれる優れたサポート体制を持つクラウド会計を選ぶことも重要です。

おわりに

今回はクラウド会計のメリット・デメリットについて解説しました。クラウド会計は、その利便性とコスト効率から多くの企業により採用され、会計業務の効率化に大いに寄与しています。しかし、その一方で、デメリットも理解し、適切に対処することで、より有効にクラウド会計を活用することができます。
当社は、クラウド会計に特化した税理士事務所ですので、クラウド会計の導入に悩まれている方がおりましたら、是非一度お問い合わせください。クラウド会計の選び方から実際に導入するまで、一気通貫でサポートいたします。

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