Q.

当社では、建設仮勘定を税込で計上し、本勘定に振り替える時点(=工事が全て完了し引渡しが行われた時点)で、仮払消費税を計上しております。
そのため、本勘定に振り替えた日を課税仕入れ等をした日として、仕入税額控除の計算を行っていますが、仕入税額控除のタイミングは適切でしょうか?

A.

消費税基本通達11-3-6には「建設仮勘定として経理した場合においても、当該課税仕入れ等については、その課税仕入れ等をした日の属する課税期間において法第30条《仕入れに係る消費税額の控除》の規定が適用される」との文言があり、建設仮勘定に計上されている金額であっても、原則として物の引渡しや役務の提供があった日の課税期間において課税仕入れに対する税額の控除を行うことが明記されています。
ただし例外的に、物の引渡しや役務の提供または一部が完成したことにより引渡しを受けた部分をその都度課税仕入れとしないで、工事の目的物のすべての引渡しを受けた日の属する課税期間における課税仕入れとして処理する方法も認められます。

なお、仕入税額控除のタイミングは原則として「物の引渡しや役務の提供があった日」になりますので、建設仮勘定に計上された支出のうち、工事代金の前払金といった、物の引渡しや役務の提供に対する支出ではない場合は、課税仕入れ等として取り扱うことはできない点に留意する必要があります。一方で、例えば設計料・資材購入費等は物の引渡しや役務の提供に対する支出のため、課税仕入れ等として取り扱うこととなります。

《参考》
国税庁 No.6483 建設仮勘定の仕入税額控除の時期

お問い合わせ

税務・会計・経営に関するお悩みやご相談内容をまずはお気軽にお聞かせください。ご相談やお見積りは無料で承ります。